狩猟をはじめて今年で4年目。
たくさんの動物を獲ったし、たくさんの写真を撮った。
狩猟を始めたことでいろいろな媒体から取材をうけたり、
コラム執筆など仕事の幅も広がり本業のカメラマンとしての売り上げも増えた。
狩猟の写真は1000点を超えた、そろそろセレクトして発表段階に移ろうと思う。
ちょうどタイミングよくNikonが主催するポートフォリオレビューに参加することができた。
5年前に海上遺跡の作品シリーズを発表して以来のレビューなので緊張した。
ポートフォリオレビューというのはニコンサロンで展示するための公開審査のようなもので
審査員が直接作者にコメントをしてくれる貴重な機会だ。
過去数回レビューには参加しているのでその経験からして、狩猟写真の反応は良かった。
「次回また持ってきてほしい。」と言われたのでまたブラッシュアップして持って行く。
作品というのは一人では制作できない。人それぞれなんだろうけど僕は無理だ。
どうしても独りよがりになってしまう、
発表する以上、他人の意見をある程度耳を傾けなければ成り立たない。
審査員や信頼出来る写真家、評論家、ギャラリーやサロンの人など。
とにかく写真や美術関係者いろいろな人に作品を見てもらう。
耳を傾けないで作品を発表して評価を得ている人は本当にすごいと思う。
ポートフォリオレビューに参加して嬉しかったのが、
海上遺跡の写真を知っている人が数名いたことだ。
狩猟の写真ももうちょっとだ、がんばろう。
さて、本題に戻りますが僕のTwitterがクリスマスに炎上しました。
炎上した原因の一つがまさにこの狩猟写真。
同じハンターである孤独のジビエ氏と議論に発展した。
その模様がまとめられ炎上に発展していった。
たった一枚の狩猟写真から
「狩猟はかわいそう!あなたは肉を食べないの?」という議論が巻き起こった。
一年で一番チキンが消費される日に巻き起こったのも面白い。
誤解されたくないので言っておきますが、
僕は「あなたは肉を食べないの?」なんて相手に言ってないです。
僕だって動物を獲ったらかわいそうって思います。
その上で食べます、そんな矛盾のなかで生きてます。
最初はtogetterにまとめられ、そこから注目されて
複数の2ちゃんねる系のまとめサイトに飛び火していった。
現在コメントの総数は3000件ぐらいある。
総PVは恐らく20万~30万PVぐらいある。
僕のTwitterの該当コメントの表示回数だけでも25万回あってリツイートは1700件を超えてる。
全てのコメントに目を通して有益なコメントはコピペして保存した。
誹謗中傷もあれば的を射た的確な批判もある、肯定や賞賛をするコメントもある。
面白いのがその比率がどのサイトでもほぼ同じ比率ってことだ。
そしてコメントした人同士で議論をしている。
うさぎを食べて炎上した女性とだいたい同じような現象がおきた。
本人の主観だから見たい情報だけ見てたのかもしれないけど、
賛否両論というよりも肯定意見の方がずいぶん多かった気がする。
猟友会が主催する狩猟フォーラムなどはそもそも狩猟に関心が高い層が集まるので批判などおきない。
今回のネット炎上はそういうことではく、世間一般の狩猟に対する反応が見れたのが面白い。
(別に狩猟フォーラムを批判してるわけじゃないですよ。誤解のないように。)
僕にとってかなり貴重なデータになった。
狩猟者として世間の反応を知れたし、写真家として作品の反応も知れた。
一番多かった批判のコメントが「不特定多数がいるネット上に画像をあげるな、配慮しろ」と
「わざわざ画像をアップする必要がない」ってコメント。
その意見は深く受け止めます。
その上で申し訳ないけど僕は配慮はしないし狩猟の写真もアップする。
配慮していたらなにもできないからだ。
たった一本のクレームのために発売を延期した「うどんかるた」の対応を僕は正しいとは思わない。
結婚していない人に配慮していたら、僕は嫁ネタのことはかけない。
幡野夫妻にはまだ子どもがいないが、
子どもネタを投稿してる人に僕に配慮して画像上げるな!とも思わない。
画像アップの必要性だけど、そんなもの全ての画像に当てはまる。
子どもの写真も食事の写真も、猫の写真も自分の仕事の成果も全部あてはまる。
必要性のある画像のアップなんて全部無い。
必要性と配慮を突き詰めていったら写真家も漫画家も小説家も音楽家もなにかを表現する人は
誰も作品を発表することなんてできない。
できないことなくても誰かに配慮するような作品には疑問が残る。
批判は甘んじて受ければいい。
ただ僕は一枚の写真からこれだけ大きな反響があったので
今後の活動の糧になる勉強が出来たので良かったと心から思っている。
なにを表現するかはその人の自由、その表現を批判するのも自由、批判に反論するのも自由だ。
最後に言っておきますが、僕は議論をしている孤独のジビエさんのことを前々から尊敬してる。
彼のブログで取り上げている「狩猟ビジネス」のカテゴリーを読んだ時は本当に感心した。
炎上したあとでもやはり、狩猟のことを真剣の考えている彼の姿勢に尊敬の念は変わらない。
おこがましい発言かもしれないけど、
そういった意味では同じレベルの人間だからお互いぶつかってしまったのだと思う。
いい歳したおっさん二人がお互い引かずに議論しててお恥ずかしいのですが
最終的には奇跡的に綺麗にまとまってます。
散弾銃の所持者同士が口論したって最終的には人間トラブルには発展しません。
年末年始の読み物としてお時間あるときにぜひ覗いてみてください。
ではみなさま良い年を。