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Channel: 幡野広志のブログ
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山で会った犬の話。

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去年の11月に山の中で一頭の犬に出会った。
すでに左目は潰れて、背中には大きな傷跡がある。

猟友会のオレンジベストを着て散弾銃を持っている僕を見かけるや駆け寄ってきた。
狩猟中に獲物を追いかけて夢中になって迷子になってしまったのか、
引退して放し飼いにされているのか、とにかく猟犬のような気がする。

僕は犬が苦手だ、怖い。僕は猫派だ。
でも怖がる素振りはみせない、ビビってるのが犬にバレると向こうは強気でくる。

ちなみにこれから先、動物の骨の写真が出てくるので、苦手な人は見ないでね。

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「こっちおいでよ!!」って僕を案内するような感じで走り出した。
獲物のところにでも案内してくれるのかと期待してついていく。
こっちが立ち止まると、犬も止まって待ってくれる。
とても忠実だ、ついさっき会ったとは思えないほど忠実な猟犬だ。苦手だけどかわいい。

先日、猟犬をつかったイノシシ猟に参加して思ったことだけど、犬は狩猟には欠かせない。
警察や軍隊、レスキュー、病院や老人ホームでも犬が活躍して人間を助ける。
石器時代から人間が犬をパートナーにしていた理由がわかる。

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しばらく山の中を歩くと、犬が地面を掘り出した。
こっちをチラチラみて「ここだよ!!」って合図する。

これ花咲か爺さんの話や!!

小判だったら遺失物届けをちゃんと出して半年後には自分の取得物になるな、
なんて狸の皮算用しながら折りたたみスコップを出して掘る。

掘り始めて30秒で出てきた!!

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白骨体。

全長1mぐらいの白骨。
人間の子どもかと思って青ざめたけど、キバがあるからサルだとすぐ気付いた。

犬は褒めてくれといわんばかりの顔をしているのであたまを撫でてあげると、
しっぽをブンブン振り回して嬉しそうだ。

せっかく犬がプレゼントしてくれたのと、
今年はサル年なのでノコギリで頭を落として記念に持ち帰る。

犬にお礼を言って別れる。保健所の人に見つかるなよ。

頭蓋骨にはまだ臭いもあり、
きれいな標本にするためにもう少し地中に埋めて分解する必要がある。

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嫁の実家の庭に埋めさせてもらった。
激しく抵抗するお義母さんを言い包めるのはわりと簡単だ。
塩をまくお義母さん。

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先日、そろそろいいかなと掘り返してみた。
6歳になる子どもが興味津々で見たがってたけど、お義母さんと嫁が必死に食い止めてた。
僕は子どもに見せられないようなことをしているのかとちょっと実感する。


土を落として、水洗いして。
キッチンハイターで漂白して天日干しする。

臭いはほとんど無いけど、若干歯茎の赤色が残っている。
もうちょっと長く埋めるべきだったかな。


これが山での出来事じゃなくて街中の出来事だったら、犬は保健所で殺処分されて
サルの白骨体に警察も報道も集まっただろうな。

そんな街中でニュースになるようなことが山では当たり前のようにある。
メチャクチャだ、本当に楽しい。

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