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Channel: 幡野広志のブログ
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違法タクシーに乗った話。

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夜遅く酔っ払って中央線に乗ったら山梨県の大月駅行きの電車だった。
春っぽくなり浮かれて油断をしていた。
降りるべき高尾駅を乗り過ごしタクシーもコンビニもホテルも無い駅で目を覚まして絶望したけど目の前に鹿がいてちょっとテンションがあがった。
関東平野で鍛えた足で歩こうと決意してグーグルマップで自宅までの距離を調べて再度絶望した。
フルマラソンのオリンピック選手が本気で走っても2時間はかかる距離だ。
鹿を捕まえて乗りこなそうかと模索したけど鞍とムチとヘルメットが無いからあきらめた。
そのとき一台の軽自動車が近づいてきた。
「1万円で乗せてあげるよ。」
違法営業する白タクだった。
鹿を捕まえる手間と鞍のない鹿の背中にのることを考えたら白タクに乗る方が良い。
ただ金額が高いので料金交渉したら最終的に4000円まで下がった。
白タクドライバーは年金生活をしている元タクシードライバーだそうだ。
年金だけじゃ生活できないから違法行為を承知でやっているそうだ。
料金トラブルで警察沙汰にならないように値下げ交渉に応じるのが長くやるコツらしい。
ちょっと値切りすぎたので5000円を払いお互い気持ちよく別れられた。
きっと白タクドライバーは大月方面まで乗れなかった人を探すのだと思う。
白か黒で言えば真っ黒な違法行為なんだけど、現実社会はそんな単純なものではなく白から黒のグラデーションになっている。
もちろん白タクを推奨するつもりは無い。
できれば鹿に乗って帰宅したかった。

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